地芝居ポータルサイト -jishibai portal site-

「地芝居(地歌舞伎)」に関する様々な情報を集め、
発信していくポータルサイトです。

ブログ

【地芝居だより】9/17 豊澤千賀龍師匠の受賞記念発表会@長浜曳山博物館

2017年09月24日

 先週17日のことになりますが、滋賀県長浜市にある曳山博物館にて豊澤千賀龍師匠の受賞記念発表会がありました。

 豊澤千賀龍師匠は滋賀県長浜・岐阜県中津川・愛知県知立の三味線&義太夫を育てた名古屋市在住の師匠です。大正10年生まれですから、今年で96歳。70代の時から長浜の三役修行塾で指導にあたり、今でも月に一度は長浜へ通っているという師匠です。今回は全日本郷土芸能協会より地域芸能特別功労賞を受賞したお祝いに一門の弟子が集まり、お祝いを込めて発表会を催しました。かくいう私も千賀龍師匠に義太夫を教えていいただいており、今回は岐阜県中津川の義太夫教室の部で口上を務めました。一門の末席にいれることが心から嬉しいです。

豊澤千賀龍師匠

 千賀龍師匠も舞台に出て、傾城阿波の鳴門のおゆみの役として義太夫を語りました。まだまだご健在で私よりもはるかに声が出ており頭が上がりません。
「はじめに形、つぎに色、おわりに匂い」
と千賀龍師匠に言われました。この言葉を体にしみこませながら義太夫の修行に励みたいと思います。豊澤千賀龍師匠、おめでとうございます。

本日はこれにて!

【農村舞台】農村舞台について講演しました

2017年09月10日

農村舞台寳栄座

8月の最後の日曜日に愛知県豊田市で農村舞台について講演をしてきました。
テーマは「農村舞台の活用」です。これまで見てきた全国の農村舞台での活動をいくつかピックアップして紹介し、現在の農村舞台のあり方について思うところを話してきました。
拙い話にもかかわらず地元の人たちが大勢集まり、聞いてもらいました。
地元に眠っており、つい最近眠りから覚めた農村舞台「寶榮座」は大変すばらしい舞台です。
これから地元の怒田沢の人たちと共によりよい未来を歩んでいってほしいです。
講演のレポートがございます。下記のリンク先からご笑覧いただければ幸いです。

***農村舞台寶榮座 第2回ワークショップレポート***
2017年8月27日(日)、怒田沢集会所「青葉の館」にて、第2回となる「農村舞台寶榮座保存活用ワークショップ」が開催されました(第1回目は7月30日に行われた「改修」をテーマにしたワークショップ)。コーディネーターは地域人文化学研究所・寶榮座相談役幹事の天野博之さん、講師には地芝居ポータルサイト代表・真宗大谷派 長善寺住職の蒲池卓巳さんをお迎えしました。
https://houeiza.jimdo.com/17082902/

【地芝居だより】湖西歌舞伎公演6/25

2017年07月09日

先月25日(日)に静岡県湖西市で湖西歌舞伎保存会の定期公演を観てきました。

今回は前会長の追悼公演でした。前会長が好んでいた弁慶が主役の「御所桜堀川夜討 弁慶上使の場」が上演されました。弁慶を演じた事務局長の市川市寿郎(青島一郎)は小柄な体格にも関わらず、舞台上での存在感が大変大きく感じました。弁慶が似合う役者さんですね。また今回の弁慶上使で他とちがった演出は郷の君と信夫を一人の役者が二役つとめたことです。信夫が郷の君に背格好などが似ているために身代わりとして死ぬ役でもありますから、この演出は面白いと思いました。また別の理由としては保存会の座員が少ないための苦肉の索なのかもしれません。

湖西歌舞伎保存会とは4年前からお付き合いがあります。人手が足りないために公演の幕間で外題解説やおひねり・大向こう講座・名台詞コンテストの司会などをお手伝いしました。懐かしいですね。今年は観客としていましたが、上演中におひねりがたくさん投げられる光景を見て、おひねり講座をやってよかったと思いました。少しでも保存会のサポートができたようで嬉しい限りです。

保存会のみなさんから伝言です。
「湖西歌舞伎保存会の座員大募集です!!」
湖西にご縁のある方、役者に限らず、裏方などちょっとしたお手伝いも募集ですからぜひぜひご連絡ください。
地芝居ポータルに問い合わせしていただいても大丈夫です!

本日はこれにて。

【お知らせ】舘野太朗「村芝居の現在・過去・未来」(民俗芸能学会第165回研究例会 )

2017年06月07日

 地芝居ポータルスタッフの舘野太朗が村芝居について研究発表します。

 世界遺産に認定された山車の中には子ども歌舞伎を上演する地域も含まれており、今春は長浜の子ども歌舞伎を筆頭に大変な賑わいを見せたようです。そうした流れの中にある地芝居は民俗芸能研究という視点から今どのように映るのでしょうか。舘野はこれまでのかぶき芝居の研究を通して村芝居について論じます。大変面白い場になるかと思いますので東京近郊の方、地芝居・村芝居に関心のある方はぜひご参加ください。

 地芝居・村芝居・かぶき芝居という用語のちがいは舘野の論に準拠しています。詳しくは下記の例会要旨をお読み下さい。

*****
民俗芸能学会
第165回研究例会
舘野太朗「村芝居の現在・過去・未来」
コメンテーター:中村規・神田竜浩
司会:神田より子
参加費:200円(会員でない方も参加できます)
日時:平成29年7月1日(土)午後2時~4時50分
場所:早稲田大学演劇博物館レクチャールーム

要旨
 今回の発表では、神奈川県の事例を中心に、村芝居の現況、担い手や上演の変化、将来への見通しと課題についてお話ししたい。
 村芝居とは、祭礼等の機会に村落で上演されるかぶき芝居である。そのうち、村落の住民がみずから演じるものを地芝居、外部の劇団や近隣の住民を招聘して上演するものを買芝居と呼ぶ。村芝居を請け負う劇団は太平洋戦争後に姿を消し、現在では村芝居と地芝居がほぼ同義となっている。現在、地芝居を上演する団体は全国に200件ほどあるが、江戸時代から連綿と上演が続いている団体は希で、多くの団体が中断と復活を経験している。
 神奈川県では、1800年頃には既に地芝居が上演されていた。明治以降は買芝居が優勢となり、神楽師の流れをくむかぶき専門の劇団が1970年頃まで活動した。その後、県下の村芝居は、海老名市大谷地区の地芝居を残して行われなくなるが、1990年代以降、各地で地芝居の復活がなされ、現在は、海老名市の大谷歌舞伎、相模原市緑区の藤野歌舞伎、綾瀬市の目久尻歌舞伎、横浜市泉区のいずみ歌舞伎、座間市の入谷歌舞伎の五団体が活動している。大谷歌舞伎を除く四団体では祭礼の場を離れて、公共ホールで公演が行われている。また、義太夫狂言の上演に不可欠な竹本は全団体で外部から演奏家を招聘している。
 現在の村芝居は民俗藝能の範疇で議論されうるものなのだろうか。浅野久枝は「創り上げられる「山の芸」―長浜曳山祭・奉納子供歌舞伎にみる町衆の心意気」(『民俗芸能研究』61、2016)において、「地元以外の指導者を招聘する地芝居すべてが民俗芸能かどうかは言及しないが、少なくとも長浜曳山祭で上演される子供歌舞伎は、「山の芸」という民俗に裏打ちされた芸能である」としている。守屋毅「地狂言の終焉」(角田一郎編『農村舞台の総合的研究』、桜楓社、1971年)を参照しながら、私見を述べたいと思う。

舘野太朗(いずみ歌舞伎保存会会員・大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター研究員)1985年生まれ。1998年、泉公会堂『白浪五人男』の日本駄右衛門で初舞台。2009年、筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。2012年、筑波大学大学院人文社会科学研究科国際地域研究専攻修了。修士(国際学)。現在の研究テーマは、傍流のかぶき芝居(村芝居、学生歌舞伎、小芝居、市川少女歌舞伎など)、日本におけるモダン・パジェントの受容と展開。

民俗芸能学会165回

地芝居情報いっぱいの全郷芸会報誌

2017年04月27日

地芝居情報が多く掲載されている(社)全日本郷土芸能協会の会報誌のご紹介です。年4回の発行で地芝居の公演情報はもちろん様々な記事が多く載っています。もちろん地芝居以外にも全国の郷土芸能や世界の民俗芸能の記事が満載です。

会報には地芝居の公演スケジュール、保存会からのレポートなどがあり、地芝居ポータルスタッフも寄稿しています。代表の蒲池は「地芝居あれこれ」という担い手インタビュー、北河は「地芝居見聞」という地芝居観劇記を執筆しています。

この4月に発行された最新号の「地芝居あれこれ」は岐阜県の地歌舞伎ご意見番である小栗幸江さんにインタビュー、また「地芝居見聞」は群馬県にある芝居小屋のながめ余興場で行われた子ども歌舞伎公演について書いています。地芝居をより楽しむ記事もあり、地芝居を通して郷土芸能の在り方について考えていきたくなる記事もありと話題に事欠きません。

この会報が気になる方はぜひ全日本郷土芸能協会(全郷芸)へご連絡ください。
ご連絡は全日本郷土芸能協会HPをご覧ください。
全日本郷土芸能協会HPこちら>>

【本の紹介】「地歌舞伎を見に行こう」

2017年02月22日

こんにちは。
徐々に地芝居の公演が増えてきていますが、体調を崩して泣く泣く自宅療養の身です。
家でもできることで地芝居に触れようと思い、積読本を読み漁っています。

今回、ご紹介するのは地芝居関連の最新刊「地歌舞伎を見に行こう」です。
こちらの本は旅行ガイドブックに分類できるでしょう。
初めて地芝居に触れる人のための入門編を旅行の視点で作られた一冊です。

全国にある地芝居の中で、有名どころ6か所をピックアップしています。
長野県「大鹿歌舞伎」、埼玉県秩父地方の「小鹿野歌舞伎」、岐阜県東濃地方の「地歌舞伎」、四国小豆島の農村歌舞伎、福島県の「桧枝岐歌舞伎」、山形県の雪中芝居「黒森歌舞伎」

歴史から地域の風景を感じながら、その風景の中で息づく地芝居と人々の姿が描かれています。

旅行ブックなだけに、「食」にもスポットを当てて地域ごとの特産物やB級グルメを紹介しています。地芝居を彩るお弁当や郷土料理も紹介しているのはうれしいですね。今度行ったらぜひ食べようと思います。

この本で注目することの一つにはタイトルに「地歌舞伎」という語句を使用していることです。
「地歌舞伎」という語句は岐阜県東濃地方で独自に広がり、今では全国でたびたび目にするようになってきました。この本では語句の解釈について解説するページもありました。そこでは「地芝居」は歌舞伎以外に浄瑠璃などが含まれているため、「地歌舞伎」を使用するという内容です。地芝居と地歌舞伎については次回に書こうと思います。「地歌舞伎」という表現が今後どのように使われていくのかが気になるところです。

地歌舞伎を見に行こう

地歌舞伎を見に行こう